ンボテ(現地リンガラ語で「こんにちは」)!
コンゴ民主共和国の国立博物館、Musée national de la République Démocratique du Congo(MNRDC)へ行ってきたよ。
この博物館は、韓国政府の支援を受けて2019年に建てられたもの。
今回は韓国人の知り合いからチケットをもらい、行ってきました!

新しいだけあって、とってもキレイで近代的。

料金は?
(コンゴ国籍の人)
◉おとな 3,000FC(1.5ドル)
◉子ども 2,000CF(1ドル)
(コンゴ国籍以外の人)
◉おとな 10ドル
◉子ども 5ドル
館内の様子
中に入ると、吹き抜けの明るいスペースが印象的。

受付で入場料を払うと、ガイドの人が順路を教えてくれる。
まずは2階へ上がって、1と書かれた赤い扉からスタート。
- L’Homme face aux défis de l’existence

ここは、コンゴ民主共和国の歴史に触れながら、当時の人たちが農業や漁業で使用していた道具、身につけていたものが展示されているスペース。

当時使われていた調理器具やいすなどがセンスよく展示され、それぞれの展示品には使用していた民族の名前まで書かれている。

1の部屋が終わったら、扉を出てすぐ向かいにある2の扉へ。
2. Le cycle de vie et l’expression culturelle

ここは生まれてから死ぬまでのライフサイクルにまつわるスペース。
妊娠・出産祈願にまつわる彫刻から、病気魔除けの人形、お葬式で用いられていた伝統的な太鼓やマスク、棺桶などがライフサイクルの順に展示されている。

さまざまな民族のさまざまなマスクがあって、興味深い(けど、フランス語ですべての説明を理解するのがとってもむずかしい)。
ここまで見おわったら、今度は1階へおりて、最後の展示スペースへ。
3. Temporaire

ワタシたちが行ったときは、伝統楽器が展示されていて、いくつかの楽器は実際に手に触れて、演奏することができたよ。

どの程度「テンポラリー」なのかは、わかりません!
ここまでで、展示室はおわり。
展示室以外にも、通路に民族ごとの写真が飾られていたり、あちこちにアート作品が置かれていたりして、どこを歩いてもおもしろい博物館。

悲しい歴史的背景
でも、この近代的でキレイな博物館で展示品を見ていると、少し悲しい気持ちにもなった。
歴史に関する展示品と情報が圧倒的に少なくて、特に植民地支配されていた期間の歴史と文化がすっぽりと空白になっているようだったから。
コンゴ民は
◉1885ー1908年 ベルギー国王(レオポルド2世)の私有地
◉1908ー1960年 所有権が国王からベルギー政府へうつり、ベルギー領
と、50年以上もの間、植民地支配されていた歴史をもつ。
少し気になって調べてみたら、2021年11月にこんなニュースが。
https://www.brusselstimes.com/195107/belgium-confirms-promise-to-return-looted-object-during-congo-visit
※英語です
内容をかいつまんで書くと、ベルギーには植民地時代にコンゴ民から違法に持ってこられたと思われる美術品がたくさんあって、その多くがベルギーの王立中央アフリカ博物館に展示されている。
そこにある130,000以上の展示品のうち、その85%がコンゴ民が起源となっているとも。
ベルギーがこれらの展示品をコンゴ民に返却することを約束して、今展示品の起源を確認する作業が行われているという内容。
さらに気になって、王立中央アフリカ博物館のWebサイトを調べていたら、コレクションがどこからどうやってベルギーにやってきたかが書かれていた。
ベルギーの王立中央アフリカ博物館でコレクションを鑑賞する人たちはどんな気持ちで鑑賞するのだろうか
と、コンゴ民の国立博物館に残された文化品を鑑賞したワタシは少し複雑な気持ちになる。
ということで、実はまだあまっている博物館のチケット。

ベルギーからの返却が実現することを願いながら、残っている招待券はもう少し先までとっておこうと思う。
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